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生ごみを各家庭で処理できたら行政負担は軽減されるか
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埼玉エコ・リサイクル連絡会の12名の研究チームが、財団法人消費生活研究所からの研究助成金を得て、このテーマに挑んで1年。本年7月5日に開催された同研究所の発表会で報告し高い評価を得た。ここにその研究の要約を紹介する。
尚この研究の正式名称は「家庭で発生するちゅう芥類を、焼却処理する場合と生ごみ処理機で処理した場合の経済的負荷と環境的負荷の比較について」である。報告書は同研究所発行の「持続可能な社会と地球環境のための研究助成成果報告論文集」の中に掲載されている。
市町村の焼却ごみは、各家庭や小規模事業者から生ごみとその他のごみの混合状態で排出されている。排出されたごみは、自治体により収集運搬され、焼却処理され、焼却灰は埋立等の方法で処分されるのが一般的な方法である。
しかし最近では、家庭や小規模事業所等、ごみの発生場所で利用できる生ごみ処理機器の開発が進み、一部の自治体は補助金を支給してこれら機器の普及を促している。エコ・リサの研究者等は、今の「全部を焼却する方法」と、「生ごみは家庭や事業所等の発生場所で処理する方法」とでは、経済的負担と環境的負荷がどう違うかを比較した。ここでは経済的負担についての研究結果を紹介する。比較は埼玉県内で約30万人の人口を有し、ごみの焼却量が年に10万トン程度の都市を研究対象として行う事とし、具体的には川越市をモデルとして解析を行った。
川越市は平成13年度約9万7千トンのごみを焼却した。
その年の川越市の焼却ごみには、生ごみが湿状態で約4万9千トン(51%)混合していたと推定された。このことから生ごみを家庭などで処理すると、市はおよそ半分のごみを収集し、焼却し、灰の処分をすればよい事になる。焼却量が半分に減る事は焼却設備も半分の能力で足りる事になり、建設費も安くなる。一方生ごみを家庭や事業所で処理するには、新たに生ごみ処理機の設備費が発生し、生ごみ処理の費用も発生する。では、2つの方法では、設備投資がどう変わり、年間の費用もどう変わるのだろうか。
それを推定したのが次ページの表1、表2である。
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結論、全部を焼却処理する場合と生ごみを分離処理する場合とでは
| 1、 |
設備投資額は全部を焼却処理する場合は約231億円、生ごみは分離処理する場合は283億円と生ごみ分離処理する方が52億円ほど大きい。 |
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● |
研究では焼却能力10万トンと5万トンの焼却設備の建設費を、本年4月操業開始予定の所沢市の焼却場建設費の資料を使って推定した。
生ごみ処理機は、1戸建て住宅は各戸に、集合住宅は50戸に1台の共同生ごみ処理機を設置する事として設備費を推定した。 |
| 2、 |
年間の処理経費は、上の設備投資額を減価償却費として年間経費に組み入れても、生ごみを分離処理する場合の方がわずかに安い。 |
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● |
収集費は市の収集する費用と、業者が直接焼却場に持ち込む費用を推定し計算した。 |
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● |
設備の減価償却費の計算は、焼却施設については平均償却年数を15年として、生ごみ処理機については平均10年として計上した。 |
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● |
生ごみ処理機としては、戸建て住宅には電力を使わない「らくらくゴミケシくん」を、集合住宅には省電力タイプの「エコポット・プロ 日量50kgタイプ」を採用した。 |
投資額と年間経費についての項目別比較は、下記表1、表2の通りである。
表1 : 設備投資額
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混合焼却処理
システム
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生ごみ分離処理
システム
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差
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| 焼却ごみ処理量 (単位d) |
96,608d
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47,501d
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-49,107
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| 生ごみ処理量 (単位d) |
0d
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49,107d
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49,107
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| 焼却設備 (単位千円) |
23,091,600
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18,292,000
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-4,799,600
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| 生ごみ処理設備 (単位千円) |
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10,050,440
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10,050,440
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計
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23,091,600
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28,342,440
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5,250,840
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混合焼却処理
システム
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生ごみ分離処理
システム
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差
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| 収集費 |
1,849,656
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909,454
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-940,202
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| 焼却処理費 |
850,688
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529,430
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-321,258
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| 焼却設備減価償却費 |
1,539,440
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1,219,467
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-319,973
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| 終末処理費 |
283,700
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229,024
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-54,676
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| 生ごみ処理費 |
0
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511,702
|
511,702
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| 生ごみ設備減価償却費 |
0
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1,005,044
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1,005,044
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計
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4,523,484
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4,404,121
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-119,363
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注1)焼却設備の修繕費は焼却処理費に計上してある
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この研究は、人口30万都市についてのものであるが、生ごみ分離処理システムが、行政経費改善の点から、各市町村のごみ処理施設建設の際、検討課題になりうる事を示したものといえる。今後、行政や、その地の市民団体等が、この研究をたたき台として、独自の計画の立案・検討に利用される事を期待したい。
また、本研究で採用した非電動式生ごみ処理機は発明後の日が浅いので、更に使用研究や改善を進める必要があると考えるました。
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(報告者 竹村 元宏)
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