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前回のあらまし
前回は、地球温暖化により@雨量が多いところは益々多く雨が降るようになり、乾燥するところは益々乾燥するようになる。また、台風が大きくなる。A海水面が上昇すると、海岸の堤防を作るだけで、日本の国家予算を全部使っても間に合わなくなる。B海岸の堤防を作っても地下水位が上昇するので、海岸線に沿ったビルの地下室はコンクリートの割れ目から地下水が大量に染み出て、一年中染み込んだ水をポンプでくみ上げなければならなくなる事を述べました。
(4)氷河の後退と積雪量の減少
最近、世界中の氷河が溶けて低い山の氷河が無くなり、高いところのみ残る、いわゆる氷河の後退や積雪量の減少が起こっています。一見、氷河の後退は日本と直接関係がなさそうに思うかもしれませんが、実は近い将来、日本に大変な事態をもたらす事が予測されています。
ヒマラヤ、アンデス、ヨーロッパアルプス、ロッキー等の山々は、秋の大雨の季節には雪になって積もり、或いは氷河の氷になる事により、川下が洪水になる事を防ぎ、一方、夏季の乾期にはこれらの雪や氷が徐々に溶けて、川の水量減少を支える、と言う天然のダムになっています。
ところが、最近は秋の大雨はそのまま雨となって流れ出すだけでなく、冬の間に積もった雪までも溶かし出して、しばしば大洪水をもたらすようになり、一方、夏季には水量が極めて少なくなっています。
例えば、中国の長江は最近3年に1回くらいの割合で洪水が起こるようになりましたし、記憶も新しいのですが、昨年と一昨年の2年続いてヨーロッパではエルベ川やライン川が大洪水になりました。
一方、黄河は穀物を作る最も大切な時期の4月半ばから7月一杯くらいの約100日間は干上がって海まで水が届かなくなっていますし、アメリカのコロラド川は年間を通じて海まで水が届かない、完全な内陸川になっています。インダス川やガンジー川、ナイル川などもほんの僅かしか水が流れない様になってきています。
(5)世界的な食料不足が近い将来に
これらのことは、世界の穀物生産がどんどん減ってくる事を意味しています。
中国の大穀倉地帯だった華北平原は、黄河の水の減少にともない、井戸に頼るようになり、浅井戸(と言っても深さ300mくらいの井戸ですが)は97年以来10万本放棄され、新たにもっと深い井戸を22万本掘っており、北京の水道水は1000mの井戸により供給されているとのことです。
そして、中国が経済発展することと相俟って、10年位前までは世界第2位の穀物輸出国だったのが、いまや輸入国になりました。
その輸入量はまだ少ないのですが、もしも中国国民が必要とする穀物の10%分を輸入するようになったとすれば、現在日本が輸入している穀物より多くなり、世界の穀物貿易のバランスは完全に崩れて、暴騰することになるでしょう。
この穀物不足が近い将来起こるのは中国だけでなく、インドもそうなると予測されています。その世界的な穀物不足は、早ければ5年後、遅くとも10年後には起こる、と言っている学者が居ります。
その場合、日本はお金があるから穀物が高くなっても輸入すればよいのでしょうか。
世界的に穀物不足になった時に、諸外国は、日本の自動車と穀物のどちらを買うでしょうか。家電製品と穀物のどちらを買うでしょうか。もしも日本の自動車や家電製品が売れなくなったときは、日本はトタンに貧乏国になるのです。
今のような日本の農政でよいのでしょうか。自給率が僅か40%しかないのに減反をしたり、耕作しない畑があったり、そんな事をやっていてよいのでしょうか。
ま、そのときは無駄に棄てる食品が無くなって、生ごみリサイクルなどは必要がなくなるでしょう。その分燃やすごみが半減して、良い事かも知れません。
(6)気温上昇が穀物生産に与える影響
一般的に暖かい方が植物はよく繁茂し、穀物なども良く採れる様になる、と考えられています。
しかしながら、あまりにも気温が高くなりすぎると、かえって穀物生産に悪影響が出るようです。ワールドウォッチジャパン発行で、レスター・ブラウン著、「プランB」によると、稲や小麦、トウモロコシなどは、気温が20℃までは気温の上昇とともに炭酸同化作用が進み成長するが、20℃から35℃までは横這いになり、35℃以上は葉の気孔を閉じて同化作用が減りはじめるのに比例して穀物の収穫量が減少し、40℃を越すと枯れる準備を始める。穀物の開花期に気温が40℃になると、完全に稔らなくなる。との研究結果が報告されています。
近年、日本の夏の気温上昇は気になります。稲の花が咲く頃の気温が35℃を越さないことを祈っています。ただ、水田の場合は、天気予報で報道する気温より数度低くなるそうで、その点は救われます。
4. 加速的に進む温暖化現象ほか
これまでに、地球温暖化による影響の事例をいくつか述べ、この他にも色々ありますが省略します。
この後、今の生活を続けて行くと、加速度的に温暖化が進んで暴走し、取り返しがつかないようになることと、どうすれば温暖化の暴走を防げるか、を許されれば次号で述べたいと思います。
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