2006年3月18日 発行
エコ・リサ通信 第53号
NPO法人埼玉 エコ・リサイクル連絡会会報
発行人  木 康夫
エコ・リサイクル交流集会2006*報告
-循環型社会の費用はどうする、どうなる-

2006年1月28日(土)に さいたま市民会館うらわ にて、
参加者220名による活発な意見交換を行ないました。
午前の部:パネルディスカッション 
「改正容リ法の費用はどうする、どうなる!」
容リ法の10年目の見直しが審議会で最終的にとりまとめられ、法制化を目前にして、各パネラーの方の力の入った意見交換が行われました。

◆ 藤井康弘氏(環境省リサイクル推進室長) 
 レジ袋対策については事業者の皆さん、市町村にもリデュースにとりくんでいただくという項目がありますが、一人ひとりの消費者の皆様方にも経済的なインセンティブを生んで、それがキッカケとなってマイバックや「もったいないふろしき」で買い物に行っていただくというライフスタイルをぜひ復活させていただきたいという思いで、今回の見直しのメインに据えております。
 二つ目の「事業者が市町村に資金を拠出するしくみの創設」につきましては、
市町村の努力、特に分別基準適合物のベールの質を上げる努力が再商品化費用を
下げる金額の2分の1について市町村に還元していく仕組みを創る、となりま
した。
事業者に負担を求める声は大きいのですが、それだけでは物事が解決することではない、あくまで、環境に良い製品、リサイクル費用が減らせるような製品を選んで買っていただくという消費者の責任もあいまって日本が循環型社会に向かっていけるということだと思います。  
◆ 佐野 豊氏(埼玉西部環境保全組合 川角リサイクルセンター次長)
 再資源化委託料の「その他プラスチック」は市町村負担比率が8%で計476万1644円かかりました。委託料の中で一番費用がかかり、95%にあたるものです。そして、異物の混入、特に医療廃棄物が一番困ります。
 ペットボトルの小型化により、圧縮梱包機のプレス量の計量異常による停止故障で、大変困っています。
 特定事業者は「行政にしてもらうのだから」という甘い考えではなく、行政が行うことは住民の税金で行うことですので、売った側が最後まで責任を取る姿勢を貫いていただきたい、と思います。
◆ 根岸俊文氏(ヤオコー営業企画局環境問題実務局)
容リ協会への委託費は食品トレイとレジ袋でほとんどを占めています。昨年度は1億円を超えまして、ここまで上がってきますと社内的にも厳しく、他のスーパーさんも同じ状況で、事業者全体の支払い額が5年で約3倍に上がっています。ヤオコーの支払いはこの5年で8.5倍に増加しています。
容器包装に求められることは、「お客様が商品をきちんとご自宅まで持ち帰れる、破損しない」「商品の品質が管理できて衛生的である」「鮮度が保持される」「魚、肉の血で汚れない、水がもれない」です。
企業としてはリサイクル費はコスト、経費と考えます。結果的には利益が減るという話になります。
◆ 奥山玲子氏(川崎ごみを考える市民連絡会)
「費用負担はどうあるべきか」ですが、私は「受益者負担で」というところを強調したいと思います。現在の制度は受益者負担になっていないと言えますね。
少なくても事業者は一部容リ法によって負担をしました。では、「収集運搬」「選別保管」費用をどこが持つのかということになりますが、それは「買った」人です。私は消費者にけっこう厳しいです。それは私が実際に作業していまして、空き瓶の場所でありながら、空き瓶でないものがいっぱい来ます。ほんとに「どうしようもない消費者」がたくさんいることも事実なんですね。
 自治体がその部分の費用を負担していることで、一般消費者はいくら使おうが全体から出されているので、ひとつも痛みを感じませんから減らそう、という気はもちろんないですよね。たくさん出している消費者はトクをしている。
 私は消費者の責任は「分別して出す」という行為の責任だけではなくて、費用負担もするという、そこを持ってこそ、はじめて事業者に対しても言えるんだと思います。
 
 
Copyright (c) 2007 埼玉エコ・リサイクル連絡会 All Rights Reserved.