「おえかき和尚 うた日記」 書籍判
A5判、縦書き 130頁 定価600円
(税別)
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田んぼとカエルのこと 平成九年四月二十八日
午後から雨になる。晩、カッパを着て犬の散歩に出る。
雨も小止みになる。県道をこえて、東5丁目あたりから、中新田の方を歩く。田んぼがたくさんのこっている地帯で、田んぼに水を入れる水音と、カエルの鳴き声が一緒になって聞こえてくる。暗い田んぼが急ににぎやかになる。
これから、連休にかけて田んぼが忙しくなる。田んぼ道を歩くと、もう、田うえがしてある所があった。ずい分、早く田うえをしたもんだ。せっかちなお百姓さんだ。あるいは、早く終わらせて、連休はどこかへ遊びに行くのだろうか。
もう、この辺には専業農家はいないはずだ。いつまで、こののどかな田んぼの景色が見られるのだろうか。カエルの声がいとおしくなるこの頃。
けろけろけろ けろけろけろと よろこぶは 早苗田にきく うまし水音
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次の日の晩、同じ田んぼのあたりを犬の散歩に行くと、あたりの田んぼに水がいきわたったのだろう、急にカエルの声が大きくなっていた。
水引けば蛙わき出る中新田
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