「おえかき和尚 うた日記」 書籍判
A5判、縦書き 130頁 定価600円(税別)
 
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チャボのこと    平成九年七月二十六日
 玄関前の小屋で、園児たちのために飼っていたチャボが、春に卵をかえした。
チャボは子育てがうまいので飼いやすいという話を聞いている。以前にも何度か卵をかえしているので、経験上、私はチャボの子育てに不安をもつことはない。卵を抱いている間は、あまりのぞいたりしないでほうっておけば、親は安心して卵をかえす。
 生まれたのはたった一羽だったが、トサカの部分が小さいので、メスだと思いこんでいた。そのヒナが、今朝、へんなしわがれ声で鳴いた。
 「あ、トキの声だ!」
へんな声だが、ヒナが一生けんめいトキの声を出し、親どりに習っているようなかんじだ。
 いつものように、親どりがけたたましく、コケコッコォー、と声をあげる。そして、ヒナが親の声を聞いて、早くお父さんのような声になりたいなぁ、思っている様子だ。
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                                   な
ちいちゃぼよ もっともっと  うまく鳴け
                      な
とうさんよりも  うまく鳴け
         ごえ
しわがれ声の  ちいちゃぼよ
 どよう   あつ       ま
土用の暑さに  負けるなよ