「おえかき和尚 うた日記」 書籍判
A5判、縦書き 130頁 定価600円(税別)
 
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春の精のこと     平成十九年五月十一日

 昨晩から強い西風が吹き、春嵐の様相。竹薮の若葉がひきちぎられて、境内にとんでくるほど。
 その強風に立ち向かうように、二階建て園舎にそって、蝶が上へ上へと舞い上がった。その行動には、なにか狂ったようなすごさを覚えた。
 その後も、少し間をおいてその蝶がやってきて、同じ所から風に向かって舞い上がったのだった。


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春蝶の突風に向かうは春の精

 木の葉もちぎれるような風に、さからってまで空に向かうのは、春の精のしわざにちがいない。とうてい、そう思うしか理解できない。その不可思議な蝶の果敢さに、句もおのずから破調となった。
※破調……決まった形をやぶること。俳句なら五七五の定形に従わないということ。