トンボ・野草研究家の長須房次郎さんが幸手近郊の自然を紹介

No.67 -10月28日更新-
ちいさい秋みつけよう
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 10月の第2土曜日(10月11日)「ちいさい秋みつけよう」と、小学生が権現堂桜堤に集まりました。既に曼珠沙華の花は終わっているのに…と、思う人がいるかも知れませんが…子供たちは生き生き、目を輝かせて楽しいひと時を過ごしました。
 今回は、子供たちがどんな「ちいさい秋」を見つけたかを中心に、この時期に権現堂桜堤でみられる野草を紹介します。
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「いいにおいがする!」
フジバカマ自生地をみる子供たち
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「何をみつけているのかな 」
「野草かな、それとも昆虫?」
 北公民館からスタートして、最初に訪れたのはNHKラジオや朝日新聞で紹介された秋の七草で親しまれているフジバカマの自生地でした。花は峠を越えていましたが、近づくと桜もちの桜の葉の香りのような 'いいにおい' がしました。そこから自然観察をしながら、中川土手(右岸)まで歩き、その後、桜堤を歩いて北公民館にもどりました。会議室に着いてから、自分で見つけた野草やトンボを出し合って名前を調べたり、オオバコの花穂を使って引っ張りっこをして遊びました。最後に、この日のテキストに掲載されていた野草の名前を確認して解散しました。
 なお、この取り組みは、「わくわくクラブ」コーデネーターの安藤綾乃、野口紫、山本秀代さんの3名と幸手自然愛護会(長須房次郎会長、和泉次利・横田千代子副会長)が協力して行われました。
生き生きした子供たちの姿をみながら、市内小学校の全員にこんな体験をさせてあげたい。という思いに駆られました。
 
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「カタツムリがいたよ!」
「デンデンムシとも言うね」
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「これススキでしょ」
「オギです。葉のへりがざらざらしてるでしょ」
 カタツムリは昆虫ではありません。実は貝類なのです。貝類には海産のアサリ、ハマグリ、淡水産のタニシ、シジミ、さらに陸上生活するカタツムリなどがあります。 カタツムリとは「潟」(カタ)、陸上を意味するツブリ「巻き貝」のことです。 しかし、学術上使われている標準和名はカタツムリという呼び方ではなく、マイマイと呼んでいます。ついでですが、ナメクジも貝の仲間なんですよ。
 
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イヌタデ
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イシミカワ
 イヌタデ(タデ科)をみたとき、子供たちは「あかまんまがあった」といいました。 かつて、子どもたちが筵の上で遊んだままごとのおぜんに並ぶご馳走は、この花の赤飯でした。アカマンマ、オコワグサなどと呼んでいました。晩秋には見事に紅葉します。
  イシミカワ(タデ科)の花は夏の間に咲き、10月になると写真のように美しい藍色の粒になります。これは、花被(かひ)の変化したもので、本当の果実はその中にある黒い玉で堅くて光沢があります。この特徴から「石実皮」と名付けられたとか…。茎にはトゲがあるのでご用心!!似た種類のママコノシリヌグイは紅色の花をつけるので見分けられます。
 
このほかにも花をつけている野草をたくさん見つけました
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ゲンノショウコ
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ヤブツルアズキ
 ゲンノショウコ(フウロソウ科)は、民間薬として有名。薬の効果がすぐ現れるというので「現の証拠」の名が付けられたことは周知のことです。 
 ヤブツルアズキ(マメ科)は、花、葉だけでなく種子もアズキによく似ているので、畑のアズキはこれを改良したものとも言われます。
 
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ヒナタイノコズチ
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レモンエゴマ
 ヒナタイノコズチ(ヒユ科)は、多年草。林の中の日陰にはヒカゲイノコズチがあります。
 レモンエゴマ(シソ科)は葉、茎ともにレモンに似た香りがあるが、ときに不快なにおいのものもあります。
   
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キツネノマゴ
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チカラシバ
 キツネノマゴ(キツネノマゴ科)の花は密集して長さ2〜5cmの穂になります。
 チカラシバ(イネ科)は茎が強く、なかなか引きちぎれないことから名付つけられたといわれます。
 
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オオバコ
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マメアサガオ
 オオバコはオオバコ科の多年草。葉が広くて大きいので「おおはこ大葉子」の名があります。
葉を火であぶって指先で軽くもむと、その部分の表皮がまるくふくれあがるのでカエルッパ又はゲエロッパともいわれます。中国では牛馬車の通る道端に多いというので「車前草」といいます。薬草。民間では咳どめ、痰きり、下痢どめなどに利用されます。  
 マメアサガオはヒルガオ科の1年草。北アメリカ原産。1955年に東京近郊での帰化が報告され、現在では道ばたなどに普通に見られます。
 
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ミゾソバ
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ユウガギク
 ミゾソバ は水辺、水田のあぜや溝の中などに群がって咲き、思わず目を向けてみたくなるタデ科の1年生で、しばしば俳句に詠まれ、秋の野草として親しまれています。 柄を上にして見ると牛の顔に見えるので、ウシノヒタイの別名があります。また、葉の形が蕎麦に似ていて花の咲いた状況も蕎麦に似ており、溝の中などに生えるので、「溝蕎麦」の名があります。
 ユウガギクは山野に生えるキク科の多年草で、葉はヨメナにくらべ質は薄く、両側に3〜4対の切れ込みがあります。花をつける枝は横に広がって出ます。花は普通白に近い淡紫色。和名は「柚香菊」で柚子の香りのある菊の意といわれます。
 
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