トンボ・野草研究家の長須房次郎さんが幸手近郊の自然を紹介

No.66 -10月1日更新-
ご存じですか?
「郡山布引"風の高原"」
※写真をクリックすると大きな画像がご覧になれます
 9月9日(火)敬老の日記念スペシャルとして企画された「秋の特選行楽ミステリー」に参加しました。「到着するまで目的地が分からない」というバスの旅。心配されたお天気も晴れ、 絶好の旅行日和になりました。この日の走行距離は630キロとのことでした。今回は、この日訪れた"風の高原"をメーンに「秋」を紹介します。今年の夏は異常気象…暑い日が続いたあとには一挙に寒さが、その後は連日の雨、雷、集中豪雨。今回はこの2ヶ月間に見聞したトンボと野草の話題を紹介します。
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巨大な風車のある"風の高原"から磐梯山と猪苗代湖を臨む
平成20年9月9日展望台から撮影
 
 "風の高原"は福島県郡山市にあり「郡山ぬのびき布引"風の高原"」として親しまれています
猪苗代湖の南に位置する標高約1000mの高原で、写真で分かるように磐梯山や猪苗代湖が一望できます。この日はよく晴れていましたが、すこしかすんでいました。
この高原に国内最大級の風力発電施設「郡山布引風力発電所」があります。発電機は33基、風車の高さは100m。風力発電機の発電量は、最大で65,980Kwということです。
 
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"風の高原"頂上の案内図(風車の配置図)
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"風の高原"の風車
ススキの穂波の中の高さ100mの風車
 「"風の高原"」の頂上に33基の風車がどのように並んでいるか。案内図を見てください。この案内図のある場所まではバスで、そこから展望台までは歩いて数分。歩きながら花をつけている野草も鑑賞できました。ススキの穂波の中で回っている風車もまた趣がありました。
 
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バスの中から撮影した磐梯山
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南岸から見た猪苗代湖
 磐梯山は標高1819mで会津富士といわれる。1882年(明治21年)に噴火、せき止められた川の上流には、檜原湖、小野川湖,秋元の檜原三湖と五色沼その他100余の池や沼を作った。
猪苗代湖の面積104.8平方キロは全国5位、最深部は94.6m、水面の高度は514mで十和田湖より13m高い。北岸三条潟には、野口英世の生家が保存され、記念館がある。
 
☆郡山布引"風の高原"に見られた野草
 バスの駐車場から展望台までの間に、花をつけていたゲンノショウコ、タニソバ、キンミズヒキ、ミゾソバ、ツリフネソウ、ナギナタコウジュなどに出遭いました。
 ナギナタコウジュ はシソ科の1年草。花穂が、なぎなたに似ているのでこの名がある。特有の臭気があり、茎は四角で高さは50p内外。山野に普通。幸手周辺では鷲宮町にあったが現在はみられない。
ツリフネソウはツリフネソウ科の1年草。赤紫色の花冠が舟に似ているのでこの名がある。 日本各地の山地水辺に群生する。
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ナギナタコウジュ
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ツリフネソウ
 

 
私の出会った秋
 9月中も、カメラを持って各地を歩きました。越谷市では第16回 埼葛地区 WE LOVE トンボ絵画コンクールが1月20〜21日に行われました。6,000人を超える参加者がありました。トンボの生態観察を通して環境問題を考える。と、いう地道な、しかも、現在最も重要な問題に取り組まれていることに心をうたれます。このことは、別の機会に紹介したいと思います。今回は、野外で出遭った自然を写真で紹介いたします。
 
☆渡良瀬遊水地湿地資料館にて
 この資料館の裏手には、渡良瀬遊水地に自生する絶滅危惧種が移植されており、メハジキ、ミズアオイ、タヌキマメなどの希種が花をつけていました。ここでは次の2種を紹介します。
  ミズアオイはミズアオイ科の1年草で 高さ20-40p。葉より上に花序を立て美しい花を咲かせる。環境省レッドリスト種(準絶滅危惧種)。 同じ仲間に、花が葉にかくれる水田雑草のコナギがある。コナギは普通にみられる。 タヌキマメはマメ科の1年草で、高さ20-70p。花は鮮やかな紫色。がくに長い毛が密生する。埼玉県レッドデータブックで絶滅危惧TA類にリストアップされている希種。
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ミズアオイ
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タヌキマメ
平成20年9月3日に渡良瀬遊水地湿地資料館にて撮影
 
☆みかも山公園にて
オニヤンマ
平成20年9月3日、みかも山公園内にて出遭いました。オニヤンマは平地、丘陵地、山地の細流付近などに生息する。 幼虫期間が5年と長いので、1年中流れが絶えない細流がないところではオニヤンマは生息できない。最近、埼玉県の東部地域でオニヤンマが見られなくなったのは、そんな流れが無くなった結果と考えられる。日本のトンボ中もっとも大きい。和名は「鬼ヤンマ」
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オニヤンマ
みかも山公園にて 平成20年9月3日撮影
 
☆北川辺町にて
オニバス
 オニバスはスイレン科の多年草。かつては幸手市や鷲宮町などの池や沼にもあったが、池沼開発などにより絶滅。現在、埼玉県内では北川辺町だけに見られる希少種。埼玉県レッドデータブックで絶滅危惧TA類にリストアップされている。
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オニバス
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オニバスの案内板
北川辺町にて 平成20年9月3日撮影
 
☆久喜市にて
ワレモコウとアレチウリ
 備前堀川と備前前堀川が並行して流れている久喜市所久喜に通称「中土手」があります。
ここには、久喜自然愛好会の皆さんの保護活動により保護されている稀少種の野草が数種あります。ここでワレモコウ(バラ科)〜写真左 が見事に咲きました。ワレモコウは吾亦紅と書き、最近カラオケで歌われている「吾亦紅」は、この花がテーマです。
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ワレモコウ
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アレチウリ
アレチウリ(ウリ科)は北米原産の帰化植物。
最近急激に増えている雑草。
 
☆権現堂堤の彼岸花
 桜堤に植えられた彼岸花が9月23日(秋分の日、彼岸の中日)見事に咲いていました。古木の桜の、黒い幹と彼岸花の赤が対照的でした。彼岸花は墓場に植えられている。そして地獄花、死人花、曼珠沙華などな不吉な名前ばかりがつけられている。かつては嫌われていた花がいま観光の目玉に…。
曼珠沙華は、釈迦が教えを説いた後に美しく赤い大きな花を天上から散らしたという、伝説からつけられた名前という説も…。ヒガンバナはヒガンバナ科。最近、彼岸花が改良され「リコリス」という名前でたくさんの品種が登場しています。しかし、野生種、栽培種を問わず、リコリンという有毒物質が含まれてます。そして、毒性は煮ても焼いても変わらないことをわすれずに…
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ヒガンバナ
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白のヒガンバナ
幸手市権現堂堤にて 平成20年9月26日、9月23日撮影
 
 
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