トンボ・野草研究家の長須房次郎さんが幸手近郊の自然を紹介

No.87 -7月8日更新-
トンボはどこからやってくる?
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☆庭のあじさい紫陽花にイトトンボの群れ
 6月20日午後、知人から、庭のアジサイに「イトトンボがいっぱいいるんですが…」という電話を頂き、現地を訪れ確認しました。庭にある紫陽花には100匹以上のイトトンボが群がっていました。よく見ると、ほとんどが羽化まもない未熟な個体。種名はオオアオイトトンボンボでした。場所は、加須市新井新田の遠藤義彦さん宅。
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オオアオイトトンボが群がっていたアジサイ
とまっているアオイトトンボ
   
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オオアオイトトンボのいる遠藤さん宅の屋敷林
屋敷林の外側にある用水路
カサスゲなどの挺水植物が繁茂している
 オオアオイトトンボの幼虫(ヤゴ)は、水ぎわに木立のある池沼や湿地に生息し、6月中下旬に羽化、未熟個体は水域を少し離れた薄暗い林地に移動する特性があります。
今回,紫陽花に群がっていたオオアオイトトンボは、屋敷林の外側にある用水路で育った幼虫(ヤゴ)が羽化したことがわかりました。開発が進んでいる埼玉県の東部地域で、これだけ多くのオオアオイトトンボがみられる環境が残されていることは大変貴重。こんな環境がほかにもあるのでは…。
   
   
  ☆ハグロトンボもいました
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ハグロトンボ 
 イトトンボのほかにも、写真のようなハグロトンボもおりました。このトンボはどこから来たのでしょう?  
ハグロトンボの幼虫(ヤゴ)は、植物が繁茂する緩やかな流れに生息します。この紫陽花に止まっているハグロトンボは、オオアオイトトンボと同じ屋敷林の外側にある用水路で生まれたもの。♂の胴体はコバルトブルー。♀の胴体は真っ黒。
 通称「お歯黒トンボ」。婦人が歯を黒く染めることを「鉄漿(かね)つけ」。トンボの翅の黒いのをトンボが鉄漿をつけているとして「鉄漿つけトンボ」。
   
☆アキアカネとノシメトンボ
 6月29日朝7時過ぎ、垣根に止まっているトンボをみかけました。アキアカネとノシメトンボでした。羽化して1〜2日経過した未熟な個体でした。どこから来たのでしょうか。
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アキアカネ
幸手市中4丁目地内にて6月29日撮影
ノシメトンボ
幸手市中4丁目地内にて6月29日撮影
 アキアカネは挺水植物の繁茂する池沼や水田、溝、プールなどに生息しますが、最近の水田は乾田化がすすみ、生息域が減ってしまいました。街中の我が家に来たアキアカネは、どこから来たのでしょうか。初夏なのになぜアキアカネが? 実は、アキアカネは、この時期に羽化してまもなく、体力をつけると夏は山へ出かけ、涼しい山地で夏を過ごし、成熟して9月中旬戻ってきて産卵、一生を終えるのです。秋には胴体があかくなり、童謡でうたわれているような「赤とんぼ」に。
 ノシメトンボも赤とんぼの仲間。翅端に黒褐色斑がある赤とんぼで、幼虫はアキアカネと同じようなところに生息し、羽化すると、羽化水域を離れ、街中の樹木などで生活します。赤とんぼとはいえ、胴体があまり赤くならない赤とんぼ。最も普通に見られる。和名は腹部の黒い斑紋をのしめ熨斗目模様に見立てて名づけられました。
   
   
  ☆絶滅危惧種のベニイトトンボとオオセスジイトトンボ
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ベニイトトンボ
杉戸町の遊水地にて 6月25日撮影
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オオセスジイトトンボ
杉戸町の遊水地にて 6月25日撮影
 オオセスジイトトンボとベニイトトンボ、今年も健在。確認してほっとしました。
 このトンボはどこから…。
 この2種類のイトトンボは 幼虫(ヤゴ)時代に生活した水域からはあまり遠くへ移動せず、近くの草原などに移動して接食活動をします。だから、この生息地の周囲が舗装されたりして見た目に奇麗になってしまったら、トンボは生きていくのがむづかしくなってしまいます。もちろん、生息地の水質が農薬や家庭の雑排水などで汚染されたら大変です。さらに、ヤゴを食べるような魚などが入り込んだら、貴重なトンボも絶滅の危機に…。
   
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遊水池 6月25日撮影
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遊水池に隣接する水路 6月25日撮影
 トンボが生息できる環境なら私たち人間も安心して生活できるのです。トンボは環境汚染のバロメーター。いつまでもトンボの見られる環境は残しておきたいものです。
左の写真は、 オオセスジイトトンボとベニイトトンボの生息している遊水地。ここには、ハス、マコモ、ヒメガマ、ヨシなどの挺水植物が生育している。マツモやヒシなどの絶滅危惧種の植物も見られます。右の写真は、遊水地に隣接して流れる水路とそこに生育している草木。  
 この遊水池周辺には、6月25日の調査ではオオセスジイトトンボ、とベニイトトンボのほかにもチョウトンボ、ショウジョウトンボ、シオカラトンボ、ノシメトンボの生息も確認できました。さらに県のレッドデータブックで絶滅危惧U類にリストアップされているアオヤンマも確認できました。
   
   
 イチョウウキゴケ幸手市内で確認  
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イチョウウキゴケ
幸手市内にて 7月1日
 この写真の中央に見えるイチョウの葉形になっている植物。これが、イチョウウキゴケです。この植物は,花の咲かない植物。胞子体は葉状体のなかに埋もれていますので見えませんが…。
 ウキゴケ科(苔類)の1種で、現在国レベルで絶滅危惧T類に、県レベルでは絶滅危惧U類にリストアップされている植物。低地帯の池や水田の水面に群生します。この写真は、幸手市内のヒメシロアサザの群生している水田で撮影したものです。
 
 浅草寺と東京スカイツリー  
 東京スカイツリーのことは、本シリーズNo,81(2010/01/12更新)で紹介しました。
6月23日午後、梅雨空を気にしながら浅草寺にお参りした折、撮影した仲見世、そして東京スカイツリーをここに紹介します。 撮影日はいずれも平成22年6月23日
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平成の大修理が進む浅草寺
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仲見世通からみた東京スカイツリー
1/6には254bでしたが…
 
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 この日は、水曜日、しかも、雨。なのに、仲見世は参拝者で賑わっていました。その中には、修学旅行の学生さんや外国からの観光客の皆さんもたくさんおりました。
 

◎こちらは終了しました◎
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《と  き》
7月3日(土)、10日(土)、24日(土)、31日(土)
4回とも午後1時30分〜3時30分
《と こ ろ》
幸手中央公民館第一会議室
《内 容》
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《対 象》
市内在住・在勤の方。どなたでも
《定 員》
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《用意する物》
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《申込み》
幸手中央公民館 TEL 0480-42-5156
《問合せ》
幸手若草俳句会 
長須さん TEL0480-42-2044
小林さん TEL0480-42-7986
 
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