房ちゃんの自然発見

10月22日更新
No.07
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文・写真/長須房次郎
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〜 野菊 〜
   
ヨメナの花

権現堂堤を歩きながら、野草の観察をしてみませんか。今、紫色の花をつけたヨメナ(嫁菜)と、白色でわずかに淡紫色をおびるユウガギク(柚香菊)の2種類の野菊が咲き誇っています。

ヨメナの花  

 ヨメナは多少湿り気のある場所を好む多年草で、川べりや田んぼの縁などに普通に見られます。草全体に香気があり、昔から「菟芽子」(うはぎ)とよばれて人気のあった野草です。茹でて刻んだものをご飯に混ぜるとヨメナ飯になります。権現堂堤では見られませんが、ヨメナによく似たノコンギクの名は、「野に咲く紺色の花」の意味で、山麓の道ばたや空き地など、ヨメナよりも乾いた場所に生え、秋に紫色の花をつけます。伊藤左千夫の『野菊の墓』に出てくるのは生育場所から考えるとノコンギクと思われます。

ユウガギクの花
 
ユウガギクの花
右ヨメナ・左ユウガギク

 ユウガギクは日当たりのよい草地に生える多年草で、ヨメナにくらべ、葉は質はうすく、両側に3〜4対の切れ込みがあります。花をつける枝は細くて長く、横に広がって出るので見分けられます。花を押しつぶすとユズの香りがするので、柚香菊の名前がつきました。
 ミヤコワスレは野草種のミヤマヨメナの栽培種で、野菊の仲間としては珍しく春に咲くのでノシュンギク(野春菊)の名もあります。野生種の花は淡青紫色をおびた白色ですが、栽培品種には濃い紫、や赤紫、ピンクなどがあります。この和名の由来には「鎌倉時代、承久の乱(1221)に敗れて、北条氏によって佐渡に流された順徳天皇は、この花を見て心が慰められ、都恋しさを忘れた」という伝承があります。

右ヨメナ・左ユウガギク
≪権現堂堤にて10月16日撮影≫
 
 
 
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