トンボ・野草研究家の長須房次郎さんが幸手近郊の自然を紹介

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長須 房次郎
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No.31 -11月2日更新-
〜 幸手市内で見られる帰化植物 〜
その5
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アメリカセンダングサとコセンダングサ
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【畔道の植物群落】
八代・戸島地内にて10/29撮影
(この写真の黄色い花は、セイタカアワダチソウ(背高泡立草)、その中間にある背の高いのがアメリカセンダングサ、その下方に淡紫色の花をつけているのがヨメナ(嫁菜)です。)

秋本番の10〜11月、道ばたや畔などを歩いていて目につく植物〜アメリカセンダングサとコセンダングサはともに帰化植物です。 今回はこの2種類と、空き地や川原などに群落をつくるオオオナモミを紹介します。いずれも北アメリカ原産でキク科植物です。

アメリカセンダングサは北アメリカ原産の1年草で、水辺や休耕田、河畔などの湿地に生えます。果実は扁平で先に向かって幅が広く、頂きに2本ののぎがあり、のぎには下向きのかぎ状の剛毛がありよく衣服につきます。
牧野富太郎は、この草をセイタカウコギと名づけました。アメリカセンダングサは中井猛之進の命名によります。
 
   
 コセンダングサも北アメリカ原産の1年草で、道ばた、空き地、荒れ地、川原などに生育します。
茎は高さ50〜110センチ、切り口は4から6辺形、小枝が多数対生して先に黄色の頭状花をつけます。舌状花(花びら)がないのでセンダングサとの違いが分かります。果実ののぎは3本あります。
 時々、白状の舌状花をもつ株を見かけますが、コセンダングサの変種で、コシロノセンダングサと呼ばれ、シロノセンダングサとは別種です。なお、センダングサは関東以西に多く分布し、幸手付近ではほとんど見られません。センダングサという名前は葉の形がセンダン(栴檀)に似ているので、つけられました。
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【コセンダングサの植物群落】
八代・戸島地内にて10/29撮影
   
◆コセンダングサとアメリカセンダングサの見分け方◆
【コセンダングサ】
八代・戸島地内にて10/29撮影
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頭花の下に大きな葉のような総包片はない。 果実の先ののぎは3本 。
【アメリカセンダングサ】
八代・戸島地内にて10/29撮影
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頭花の舌に大きな葉のような総包片があり、果実の先ののぎは2本。
 

オオオナモミ
 北アメリカのメキシコ原産といわれる1年草で、茎は高さ2メートルにもなります。1929年に岡山県で発見されたが、今では日本各地で見られます。古い時代にアジア大陸から伝わってきたオナモミに似ているが、茎は黒紫色のものが多く、よく枝分かれします。空き地や道ばたに多く、群生します。
オナモミは現在市内では見られなくなってしまいました。果実はだ円形で頂に2個のくちばしがあって、全面にとげが生えています。熟して赤褐色になります。とげは長さ3〜6ミリあり、ものによくひっつくので「ひっつきむし」などとも呼ばれています。また色々な生活の場で使われれているマジックテープの発想のもとになったともいわれています。
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【オオオナモミの群落】
幸手市5丁目地内にて10/25撮影
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【オオオナモミ】
幸手市5丁目地内にて10/29撮影
   
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【手袋についたオオオナモミの果実】
幸手市5丁目地内にて10/29撮影

   
   
 
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