トンボ・野草研究家の長須房次郎さんが幸手近郊の自然を紹介

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長須 房次郎
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No.27 -6月21日更新-
〜 高須賀池公園と周辺の植物 〜
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【高須賀池公園 6/19撮影】

「高須賀池公園へ足を運んでみませんか」という「広報さって」(平成17年5月号)の記事を見て、たくさんの方が高須賀池公園に遊びに行かれていると思います。

高須賀池は天明6年(1786)の洪水で出来た池で、幸手市内にただ一つだけ押堀(風雨水害などで田畑に出きる水たまり)としての面影を残しています。ここは幸手市内で豊かな自然の見られる地域として第一にあげたいところであることは前にもお知らせしました。
   
「高須賀池公園」整備のために果たして豊かな自然がどうなったかしら?と、思っている方も多いと思います。そこで今回、6月17日と19日の2日間調査しました。その結果をお知らせします。
 公園は高須賀池を軸にして「レクリエーションゾーン」と「環境学習ゾーン」からなっています。市民の皆さんの憩いの場にもなっており、この両日も親子連れの方がたくさん来ていました。「環境学習ゾーン」と言われる池の周辺地帯の野草を調べたところ約70種確認、在来種のミミナグサ、サデクサ、トキンソウなど30種が花をつけていました。
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【高須賀池の現状 池の南端から 6/19撮影】
   

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【ヒシ 6/19撮影】
◆ヒシ(菱)はヒシ科の1年草の水草で、
葉は浮かんでいる。実は食べられる。
水面にはヒシとアサザが健在、オオヤマトンボ、コフキトンボ、イトトンボも見られました。ヒシとアサザは「さいたまレッドデータブック植物編」では絶滅危惧種にあげられている貴重な植物です。かつては、県内の池沼に広く分布していたのですが、水質汚濁、池沼開発、農薬汚染などの要因で減少してしまいました。高須賀池も絶滅?したのではと・・・数年前移植しました。工事でどうなったか心配しましたが、今回の調査でしっかり生き残っているのが確認出来ました。数年後が楽しみです。
   

〜 幸手地域で見られる帰化植物 〜
その4

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「環境学習ゾーン」で見られた植物のなかには、最近話題になったマツバウンランもありました。 コケオトギリもありましたが、ハンケショウは見られませんでした。帰化植物が目につきましたので、今回は帰化植物を紹介します。
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【クワモドキ(オオブタクサ)の群落 6/17撮影】
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【左-ブタクサ 右-クワモドキ(オオブタクサ) 6/17撮影】
   
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【アレチギシギシ(タデ科) 6/19撮影】
ユーラシア大陸原産の多年草。 茎の高さ40〜100cm、ギシギシより痩せて細い。枝は横に広がりたくさんの小さい葉がつく。葉の基部に小さな花が輪生(緑色ときに赤みを帯びる)
内花被片のへりに歯がない。
   
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【コギシギシ(タデ科) 6/17撮影】
ギシギシよりずっと小型。茎の高さ30〜50cm、葉の基部に小さな花が輪生(緑色)。
内花被片のへりに、片側に4枚内外のとげのような歯がある。 関東以西に分布する在来種。 田のあぜ、川岸などに生える多年草。
   
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【左-コアカザ 右-シロザ(普通アカザと呼んでいる)
6/19撮影】
アカザはシロザの変種で、若葉が紅紫色となるものをいう。中国が原産といわれ、チッソ分が多いところに発生する。
   
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【ビロードモーズイカ(ゴマノハグサ)】
(鷲宮町八甫上 6/11撮影 )
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【ビロードモーズイカの花(ゴマノハグサ)】
(鷲宮町八甫上 6/11撮影 )
ヨーロッパ原産で、各国で観賞用に栽培される。逸出して野生化している。 夏から秋に黄色い花をつける。高さ2mにもなる。
   
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