トンボ・野草研究家の長須房次郎さんが幸手近郊の自然を紹介

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長須 房次郎
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No.44 -12月5日更新-
初冬の倉松川を歩く
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12月1日(金)午後、倉松川の上流部分を歩いてみました。幸手駅北側の久喜幸手線踏切を越えて左(南)に曲がって下流へ向かいました。川岸にはヨシやオギが花穂をつけて残っていました。水面にはセキレイ、シラサギが餌をあさっていました。350mほど南に進むと川は左折して東武日光線を潜り東へ向かいます。
 水は澄んでいましたが、大日橋の下流には自転車が1台投げ込まれていました。かなり以前に投げ込まれていたようでした。こんなことは絶対してほしくないですね。
 中1丁目地先、左岸の土手には緑の葉をつけたクコの群落が目につきました。志手橋を過ぎ幸手橋まで来ると、橋の下流では川幅を広げる工事が進められていました。さらに進むと、工事が終った大堰橋を車が頻繁に行き来しているのが見えました。大堰橋の工事については本シリーズNo.23(2003年2月)で紹介しましたが、幅16m・長さ20mという堂々たる橋になりました。
 今回は、この日歩きながら見聞した倉松川とその周辺で見かけた自然の風景を紹介します。

右の写真は、国道4号に架かっている幸手橋から12月1日に撮影。 工事の予定は19年2月までと表示されていました。
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【拡幅工事の進められている倉松川】
 
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【シラサギのいる倉松川】
 この写真は、幸手駅の西側、南3丁目地先で撮影。ヨシは水質浄化の働きがあります。古くから民族的にも身近な植物。名前も初生のヨシは「葭」(よし)、穂を出さないで長大なものは役に立たないので「蘆」(あし)、茎が硬くなると葦簀(よしず)などとして利用されるので「葦」(よし)などと変化します。日本のことを古くは「豊葦原瑞穂国」(とよあしはらのみずほのくに)と言っていたことから、昔は日本国中ヨシで覆われていた事が想像されます。
 
 ミゾソバ(タデ科)は、葉の形や花の咲いた状況が蕎麦に似ており、しかも溝の中などに生えるので溝蕎麦(ミゾソバ)の名があります。花期は8〜10月ですが、今年は12月になってもこのような花を咲かせていました。
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【ミゾソバ】
   
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【セイヨウタンポポとオオイヌノフグリ】
 倉松川左岸の土手にはセイヨウタンポポが花を咲かせていました。そして、近くにはオオイヌノフグリが。共に春の花なのに・・・。
   
 南3丁目の家で見かけました。これはクレマチスの花が終わって果実になったところです。一つ一つの実には髭のような毛が付いています。キンポウゲ科の植物の特徴。この仲間に野生のセンニンソウがあります。
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【クレマチスの果実】
   
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【コセンダングサ】

 東2丁目地内の倉松川左岸には花を付けているコセンダングサの群落が。
   
 南3丁目地内の草むらにはコセンダングサがすっかり果実をつけていました。
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【コセンダングサの果実】
   
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【黄葉した銀杏】
 南3丁目地内では青い空を背景にした銀杏の黄葉が鮮やかでした。
   
 倉松川の水辺には、実を付けたオオオナモミ(キク科)もありました。
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【オオオナモミ】
   
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【カナムグラ】
 カナムグラ(クワ科)も倉松川の水辺で花を付けていました。カナムグラの名の由来は、カナは鉄の意味で茎が強いから、ムグラ(葎)は野原・荒地などに茂る雑草を意味しているので付けられました。
   
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