トンボ・野草研究家の長須房次郎さんが幸手近郊の自然を紹介

写真/文
長須 房次郎
>>プロフィール

>>バックナンバー

No.35 -3月8日更新-
でっかい カタッケー 発見
※写真をクリックすると大きな画像がご覧になれます
「でっかいカタッケーがみつかった!」
「どこで?」「家の近くの用水路で」
 幸手市西関宿在住の茂利英雄さんに案内していただき、「カタッケー」が見つかったという場所を訪ねました。

 「カタッケー」は、茂利さん宅近くの中島用水で発見されたという事でした。
その時の様子を茂利さんと隣家の浦和実さんから聞きました。
 今年になって、中島用水路の浚渫が行われたため、泥底に住んでいたのが出てきたということでした。「これ、大きいからカラスガイでしょ!」と念をおされました。幸手付近では、この二枚貝を「カタッケー」「または「カタッケ」と呼んでいます。今までの調査では、幸手にはカラスガイは記録されていません。
 正確を期すために、日本貝類学会会員で、さいたま市在住の川名美佐男さんのところに実物を持参し、同定をお願いしました。その結果、この二枚貝はドブガイであることが分かりました。
クリック
大きなドブガイを手に茂利さん(左)と浦和さん(右)
中島用水取水口近くで 後方は江戸川右岸堤防
 18.2.19撮影
   
クリック
25センチもあるドブガイを手にする浦和さん
18.2.19撮影
  カラスガイ、ドブガイともにイシガイ科の二枚貝です。
ドブガイAnodonta woodiana (LEA,1834)は殻高6センチ、殻長18センチ内外で、両殻は良くふくれます。殻は黒褐色か茶褐色です。前縁は丸いが、後端はやや細くなっています。県内では幸手を含む中川低地から荒川低地、比企丘陵など池沼、河川の泥砂中に見られますが、水質汚染のため近年激減しています。
 2002年版埼玉県レッドデータブック動物編では準絶滅危惧にリストアップされています。
   
 親貝の外套腔にはタナゴが産卵します。タナゴは県レッドデータブック動物編では絶滅危惧IA類にランクされるほど稀少種になってしまいました。
 今回、幸手市内にドブガイが多数生息していることが確認できたことは喜ばしいことです。こうした自然環境は残しておきたいものです。
 属名のAnodontaは歯を有しないの意で、これが特徴といえます。 (幸手地域ではヌマガイとも呼ばれています)
クリック
殻高は何センチ?自慢する浦和さん
18.2.19撮影
   
クリック
北川辺で採取された巨大なカラスガイ
川名美佐男さん(左)筆者(右)川名さん宅にて
18.2.23撮影
クリック
巨大なドブガイ左端のは普通に見られるドブガイ
-30センチスケールと比較-
18.2.19撮影
※中島用水は、用水の取入口が江戸川通り中島村(豊岡村中島〜現在幸手市)地先から引いたので中島用水の名があります。江戸川の開削が終って間もなく作られたということです。
※今回この記事作成にあたり中島用悪水路土地改良区の方に種々ご助言いただきました。
 
 
*こちらは終了しました*
◆◆総会&講演会のお知らせ◆◆


と き: 4月16日(日)
午前10時から11時30分
ところ: 幸手市中央公民館2階集会室
(幸手市緑台2-1-7)
内容: T.幸手自然愛護会総会 10:00〜10:30
U.講演会 ・テーマ「幸手市のトンボ類」
幸手市域で見られるトンボ類をスライド映写を
交えながら楽しく紹介します。
講師-長須房次郎氏
会員以外の方の参加も歓迎します。参加費は無料です。

主催:「幸手自然愛護会」
《問合せ先》 横田千代子 0480-43-1373
   
 
前へ
トップページへ
 
タウンナビ幸手・久喜は有限会社サポート・ユウが運営しています。
Copyright (c) 2002. Support YOU Corporation. All rights reserved.