トンボ・野草研究家の長須房次郎さんが幸手近郊の自然を紹介

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長須 房次郎
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No.36 -4月5日更新-
ツクシ誰の子・・・?
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うららかな春の一日、土手や畔道を歩いてみませんか。桜の花のような華やかさにはかないませんが、ツクシ、タンポポ、キュウリグサ、ヒメオドリコソウ、ショカツサイ、タネツケバナ、等々数え切れないほどの野草がわが世の春を謳歌しています。今回はツクシやショカツサイを中心に張るの野に咲いている野草をとりあげてみました。
ツクシ(土筆)

ツクシは土筆、土から生えて筆の形をしているのでその名があります。ツクシの頭には、六角形の亀の甲形のものが並んでいます。日が経つとそこに割れ目ができて胞子を煙のように飛び出させます。肉色をした茎の一節ごとにある「はかま(葉鞘)」は葉の集まりで、尖った部分が個々の葉です。「土筆誰の子杉菜の子」と言われますが、土筆は杉菜の胞子茎で、杉菜は栄養茎、土筆と杉菜は地下茎で繋がっており、土筆よりやや遅れて出ます。 (右の写真には若く短いスギナが見える)
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【ツクシの群落】
幸手権現堂にて 18年3月30日撮影
   
 スギナEquisetum arvenseL. はトクサ科のしだ植物です。ツクシの別名には、ツクシンボ、ツクヅクシ、スギナノコ、フデンコ、モグラノチンボ、ツギマツなどがあるが、幸手付近ではツンギノコ。
 ツクシは、はかまを取り除き、ゆがいて水にさらす。苦味があるが和え物、酢の物、佃煮などにする。
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【ツクシ】
権現堂地内にて採集18年3月30日撮影

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【スギナの出ているツクシ】
権現堂地内にて採集18年3月30日撮影
   
ショカツサイ
Orychophragmus violaceus O.E.Schulz
 
ショカツサイは花大根、オオアラセイトウ、ムラサキハナナ、シキンソウなど多様な名前で呼ばれており、幸手地方ではハナダイコンと呼ばれているようです。4月から5月には庭の隅や空き地、堤防などを淡紫に染めて群れ咲きます。花は紫色の直径3センチ前後で美しい十字形をしています。 
 中国原産の2年草で、江戸時代に栽培された記録があります。が、戦後急速に全国に広がりました。ショカツサイは諸葛菜で中国名です。
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【ショカツサイの群落】
幸手市北三丁目にて 18年3月30日撮影
   
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【ショカツサイの花】
幸手市北三丁目にて 18年3月30日撮影
昭和14年3月、南京郊外にある紫金山の山麗一面に咲き乱れていた紫色の可憐な種子を山口誠太郎博士と黒田辰一郎氏が持ち帰って栽培し、知人に種子を分けていました。
 昭和41年春、朝日新聞「声」欄にこの花の生地が掲載されたのをきっかけに、「花大根論議」として当時の紙面をにぎわせました。そして、全国の希望者(約1万名)に種子が解説書とともに配られたと言う事です。こうした経緯をたどり、現在いたるところでこの花が見られるようになりました。
※この写真は幸手市北三丁目の森田幸一さんのご配慮で同地で撮影しました。ありがとうござ
   

タネツケバナとミチタネツケバナ
 
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【タネツケバナの群落】
幸手市権現堂地内水田にて 18年3月27日撮影
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【ミチタネツケバナの群落】
幸手市ひばりヶ丘桜泉園にて 18年3月30日撮影
 タネツケバナ(アブラナ科)は水田などに発生。花期は3〜6月。花弁は白色。2年草または1年草。ミチタネツケバナ(アブラナ科)はヨーロッパ原産の帰化植物。埼玉県では2003年4月、川越、幸手で記録された。
タネツケバナによく似ているが、果時にもロゼットのような根生葉が見られ、道端、芝生、庭園などに群生する。ひばりヶ丘桜泉園の芝生に群生している。
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【ミチタネツケバナ(左)タネツケバナ(右)】
18年3月30日撮影
   
キュウリグサ
  キュウリグサ(ムラサキ科)は2年草。 花は淡青紫色で、花期は4〜5月。 もむときゅうりのような香りがする。
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【キュウリグサ】
幸手商業高校付近にて 18年3月27日撮影
   
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【キュウリグサ】
幸手市松石地内にて 18年3月27日撮影
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【ヒメオドリコソウの群落】
幸手市高須賀地内にて 18年3月27日撮影
   
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【ハナニラ】
幸手市権現堂桜堤にて 18年3月27日撮影
 アルゼンチン原産の球根植物。明治中期に渡来。観賞用に栽培したものが逸出し野生化している。花期3〜4月。
   
   
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