トンボ・野草研究家の長須房次郎さんが幸手近郊の自然を紹介

写真/文
長須 房次郎
>>プロフィール

>>バックナンバー

No.37 -5月1日更新-
桜から花水木へ
※写真をクリックすると大きな画像がご覧になれます
桜一色に包まれた権現堂堤もすっかり葉桜になってしまいました。かわって花水木が、さくら通りや市役所、公園はもちろん、ご家庭の庭などで美しい花を咲かせています。そして、昨年この欄で紹介した外国府間、町田英夫さん宅の「なんじゃもんじゃ」も見頃になりましたのでぜひご覧下さい。
 今回は、花水木に焦点をあてて紹介します。
 ハナミズキ(ミズキ科)は、北アメリカ原産でアメリカの代表的な花木のひとつですが、ヤマボウシに似ているので別名アメリカヤマボウシと言われます。1912年、東京市(尾崎行雄市長)がアメリカへサクラの苗木を寄贈したお返しとしてハナミズキの苗木が30本送られてきた「日米親善の木」として有名。花は4〜5月、葉の出る前か同時に開花。花弁のように見えるのは、総包片で、長さ4〜6センチ、先端はへこんでいて色は白色または紅色。総包片の中心に黄緑色の小さな花が15〜20集まった球形の花を付けます。
(包葉・・・花の下にある変形した葉。包ともいう。包葉が花序の基部に密集したもの全体を総包といい、1枚づつの包葉を総包片と呼ぶ。ドクダミの花のように見えるのも総包片。
クリック
【さくら通りのハナミズキ】
幸手東2丁目にて 18年4月27日撮影
   
クリック
【ハナミズキ】
上吉羽中央公園にて 18年4月28日撮影
クリック
【ハナミズキの花(白)】
 幸手市立図書館にて 18年4月28日撮影
   
 総包片が紅色をしているのはハナミズキの品種でベニバナハナミズキの名があります。
ハナミズキの花はヤマボウシそっくりですが、ヤマボウシは総包片の先がとがり、果実が集合果になるので見分けられます。ハナミズキは9〜10月に数個づつかたまって赤色に熟し、葉が美しく紅葉するので秋にも楽しめます。
 今回、ハナミズキの取材をしている途中で珍しい桜に出会ったので紹介します。ウコン(鬱金)とギョイコウ(御衣黄)です。
クリック
【ハナミズキの花(赤)】
幸手市役所にて 18年4月27日撮影
   
 ギョイコウ(御衣黄)もウコン(鬱金)もサトザクラ(里桜)の一種で、ギョイコウの花弁は緑色と黄色がまざっていて、花の中心に紅色のすじができる。高貴な人が黄色の衣を召したように見えるので御衣黄の名がある。花の色が変わっているので珍重される。花期は4月下旬。ウコンの花は淡黄緑色でやや垂れ下がって咲き、欧米人に人気がある。花期は4月中〜下旬。花の色が黄色の染料をとる植物のウコンに似ていることからこの名がある。
クリック
【ギョイコウ】
ひばりヶ丘桜泉園にて 18年4月28日撮影
クリック
【ウコン】
幸手図書館にて 18年4月28日撮影
   
 ハナミズキの咲いているさくら通りの根元周辺には、ツメクサ、ムシクサ、オランダミミナグサ、スズメノエンドウ、タチイヌノフグリ、ヤエムグラ、ハルジオン、カタバミ、チチコグサモドキなど沢山の雑草が花を咲かせていました。
【全て撮影地 東2丁目地内 さくら通り】
クリック
【ツメクサ】

庭や道ばたに生えるナデシコ科の1〜2年草。日本名は爪草(葉の形を切った爪に見立てたもの。花期は3〜8月。
クリック
【カタバミ】

道ばたや庭などに生えるカタバミ科の多年草。葉が赤いものをアカカタバミという。蓚酸を含むので噛むと酸味がある。
クリック
【ヤエムグラ】

畑地や道ばたに生えるアカネ科の1〜2年草。茎の切り口が四角、下向きの刺があり、物にひっかかりながら立ち上がる。
クリック
【ハルジオン】

北アメリカ原産、キク科の多年草。1920年ごろに日本に帰化。花期は春から初夏。茎は中空。ヒメジオンの茎は中実。
クリック
【チチコグサモドキ】

熱帯アメリカ原産、キク科の1〜2年草。花期は春から秋。大正末から昭和の初めに渡来。市内では数年来増加している。
クリック
【オランダミミナグサ】

ヨーロッパ原産、ゴマノハグサ科の2年草。畑地、道ばた、草地、荒地など全国いたるところに生える。在来種のミミナグサは極めて少なくなっている。
クリック
【ムシクサ】

田畑に生えるゴマノハグサ科の1年草。果実の中にゾウムシの幼虫が寄生するのでムシクサと呼ぶ。
   
 
前へ
トップページへ
 
 
タウンナビ幸手・久喜は有限会社サポート・ユウが運営しています。
Copyright (c) 2002. Support YOU Corporation. All rights reserved.