トンボ・野草研究家の長須房次郎さんが幸手近郊の自然を紹介

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長須 房次郎
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No.38 -5月31日更新-
初夏の花 ポピーと野草
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 5月25日は「五月晴れ」になりました。
この日、ポピーの群れ咲く鷲宮町を流れる葛西用水路沿いの「コスモスふれあいロード」を歩きました。赤、白、ピンクの柔らかな花びらが初夏の風に揺らいでいました。加須市との境から下流まで6キロに及ぶ用水路の両側には、250万本ものポピーが満開、見学の人たちの目を楽しませていました。
 このポピーは、もう少しの間楽しめそうです。
ぜひ一度この「コスモスふれあいロード」を歩いてみませんか。
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【ポピー咲く】
「コスモスふれあいロード」 18年5月25日撮影
   
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【満開のポピー】
「コスモスふれあいロード」 18年5月25日撮影
ポピー(POPPY)はヒナゲシ(ケシ科)の英名、ヨーロッパ原産で、世界中に帰化し、一部野生化している。栽培の歴史は古く、古代エジプト第19王朝の墓の壁画に庭の花として描かれている。虞美人草(ぐびじんそう)は漢名で、楚の項羽の愛した虞美人の墓に生えたといわれる。
 初めての新聞連載小説の題をどうしようか?と考えていた夏目漱石が、たまたま買った鉢花を植木屋に聞いてつけたのが名作『虞美人草』(明治40年)。
 
今、花をつけている野草
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【ハキダメギク(キク科)】
18年5月22日撮影
  熱帯アメリカ原産の1年草で、日本へは大正年間に渡来関東以西に多い。春から初夏に発生、花期は夏から秋。条件がよいと4週間で発芽→結実し、年間数世代が繰り返される。最近どこにでも見られ、コゴメギクに似ている。

   
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【マメグンバイナズナ(アブラナ科)】
18年5月21日撮影
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【マメグンバイナズナの花】
18年5月25日撮影
 北アメリカ原産で、日本には明治中期に帰化されたとされ、道ばた、荒地などに群生する。2年草で根生葉はナズナと同様ロゼットを形成する。
茎の上部で多数枝分かれして、先端に穂状の花序をつける。果実は扁平な円形(軍配状)。果実がグンバイナズナより小さい。
   
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【ツルマンネングサ(ベンケイソウ科)】
18年5月21日撮影
 ベンケイソウ科の常緑多年草、全株無毛で多肉質。
茎は基部でよく枝分かれし横に這い長さ約20センチになる。中国原産で古い時代に渡来したものと考えられ、石垣などに野生状態になっている。葉は3葉を輪生。花をつけない茎は長く地面を這い節から根をおろして繁殖し大群落を作る。似た種類にオノマンネングサ、メノマンネングサ、コモチマンネングサなどがある。
   
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【ヘラオオバコの群落(オオバコ科)】
18年5月21日撮影
 最近急速に増えてきたヘラオオバコはヨーロッパ原産の帰化植物。
本種に関する詳しい説明は、「房ちゃんの自然発見14」を参照。
   
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【ヘビイチゴ(バラ科)】
18年5月28日撮影
 畔や野原、畑の周辺など普通に見られる多年草。
花期は4〜5月、花は黄色い5弁花。花後、花の基部(花床)が肥大して紅色になり、そのまわりに紅色の小さい粒状の果実が付く。普通はこれら全体を一つの果実とみなしている。果実は汁液がなく甘味はないが有毒ではない。
 
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