トンボ・野草研究家の長須房次郎さんが幸手近郊の自然を紹介

No.54 -10月17日更新-
小学校の自然観察園-幸手小学校-
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「市街地の子供達が少しでも自然に親しめるよう、校庭に自然観察園をつくりたい」という校長先生の夢が実現しました。その学校は、市街地のどまんなかにある幸手市立幸手小学校。今回は、この自然観察園の紹介をします。
 この自然観察園は幸手小学校の一角につくられています。教職員の皆さんが中心となって池を掘り、小高い丘をつくるなどの作業をしたということです。時には保護者や子供達も作業に参加したという事です。
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自然観察園 ビオット 10月4日撮影
 この観察園の名はビオット。全校児童から募った名前の中から選ばれたとか・・・・この名前を考えた女子児童は、ビオトープをイメージして考えたようです。ちなみに「ビオトープ(Biotop)」はドイツ語で、生物生息空間と訳され、生き物が生息する最小単位として使われています。
 
 休憩時間に児童達が、ビオットの池の周囲に集まって植物を観察していました。
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ビオットに集う児童たち 10月4日撮影
   
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池一面に咲くアサザを観察する児童たち
10月4日撮影
 ビオットの中央には二つに分かれた池があり、池には高須賀池から移植したアサザが見事に花を咲かせています。その他池の中には、ヒメガマ、マコモ、ハンゲショウなどの植物も見られます。この池の水は水道水を使わず、すべて雨水を利用しており、かつて幸手地域に見られた池沼と同じ条件なのが特徴です。
   
 アサザ(ミツガシワ科)は絶滅危惧種。かつては幸手市西関宿にあった浅間沼などの池沼に生育していたが埋め立て、農薬汚染などで絶滅。現在市内では高須賀池に移植したのが増えています。水の浄化作用があるといわれます。
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アサザの花 10月10日撮影
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むしげんき 9月5日撮影
 この表示のある場所の樹木はクスノキ、今まで校庭にあったものがビオットの大切な部分を占める事になりました。ビオットをつくるために移植するような大げさな事をしなかったことも特徴です。
   
 この池にはアジアイトトンボ、シオカラトンボ、ノシメトンボ、ナツアカネ、アキアカネ、ギンヤンマなどのトンボが飛来し産卵しているのが見られました。 来年の春から夏にはこれらのトンボがここから羽化する場面が見られるでしょう。
 一方、野草を調べてみたところ50種ほど確認されました。(10月4日・10日に調査)
 50種の野草のほとんどが在来種で帰化植物は現在、アメリカセンダングサ、シロツメクサが目につく程度ですが、絶滅危惧種のトチカガミも見られました。 今回は現在ここで見られるトンボと野草の一部を紹介します。
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ナツアカネ♂ 10月4日撮影
頭・胸・腹部とも
赤化しているのが特徴
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アキアカネ♀ 10月4日撮影
腹部の背中だけが
赤化している
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ノシメトンボ♀ 10月4日撮影
赤トンボの仲間だが
あまり赤くならない
   
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トキワハゼ(ゴマノハグサ科)
10月4日撮影
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オオバコ(オオバコ科)
10月4日撮影
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チカラシバ(イネ科)
10月10日撮影
   
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アメリカセンダングサの花(キク科)
10月4日撮影
北アメリカ原産の帰化植物
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ツルマメ(マメ科)10月4日撮影
豆果は長さ2〜3cm
大豆の原種だといわれている
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クグガヤツリ(カヤツリグサ科)
10月4日撮影
   
   
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