小江戸『川越』から発信する
21世紀 ゴミはどうなる ゴミをどうする
報告者:小野 浩 
 
今年度より各地域で開催することになった、埼玉エコ・リサイクル連絡会主催、第1回「環境講演会」は、7月7日(土)、埼玉西部地域創造センター(川越市)に於いて、大阪大学助手(民際学)の森住明弘先生を講師に迎え、講演に続きパネルディスカッションが開催され約70名の参加者により熱心な討議が行われました。
第1部:講演会 
*「ゴミ問題と市民活動」:森住明弘・大阪大学助手(民際学)

  市民の方と一緒にゴミ問題の解決に取り組んでいる。当地域では20年程前に鴻巣、吉見などで公害発生防止対策に関係し、最近では所沢のダイオキシン発生防止対策のための設備改造の関係した。川越市でも新しい焼却施設建設が検討されているとのことだが、第一は、焼却するゴミの発生量とその質を良く把握することが大切です。
 焼却炉の大きさは、人口10万人に対し100トンが適当といわれている。ゴミの減量化対策は国の施策とも関係していて、今後減ることになるし、減らさなければならない。
 焼却炉の機種設定も、目先のイニシャルコストやダイオキシン対策だけに目を奪われないで、将来的な安全性や運転に必要なコストも良く検討していく必要がある。
 行政には専門家がいないのが一般的で、適切なコンサルタントの参加が望ましい。
 焼却炉の検討は決して難しいものではない、行政の説明を充分に聞くこと、メーカーの説明を徹底的に知ることから始めればよい。是非とも良い設備を建設してください。
 

第2部:パネルディスカッション
*「循環型社会形成のための自治体の取組事例」:中口毅博
       (環境自治体会議環境政策研究所)

各自治体の情報が集まっている。取り組み自治体の中では、リサイクルに取り組むところが比較的多く、有機性資源(食品廃棄物、家畜糞尿、剪定樹木など)の再利用化が山形県長井市をはじめとして実施されている。非有機性資源については、プラスチック類は油化や還元剤として、汚泥・焼却灰や耐久消費財もそれぞれの取り組みが進みつつある。リュースやリデュースの取り組み事例は比較的少ないのが現状である。

*「ゴミを何とか減らしたい」:伊集院京子(エコ・買い物ガイドをつくる会)

 ゴミになるものを使っていては減量はできない。一人一人がグリーンコンシューマーになって、エコ買い物しようと言うことから「買い物ガイド」を作った。今後更に取り組みを進めていきたいゴミ処理のために高額な税金が使われている。私たちはこれらのことを市民の方に伝え、みんなで取り組んでいきたいと考えている。



*「川越市におけるゴミの現状について」:小野浩(川越市公衆衛生協議会常任理事)

 川越市のゴミ処理の現状は、危険状態といわれている。これは現在の焼却炉(2施設)が、建設後22年と14年経過していること。ゴミの質(カロリー)が建設時と比べ高くなっていることによる。また、800グラム/人・日が目標の減量化もあまり進まない。
 平成18年稼動を目標に新しい焼却施設が検討されているが、市と市民がゴミの減量化に積極的に取り組むと共に、全ての面から『安全性』が第一であること、建設計画の検討にあたっては、市民の十分な理解が得られることが必要である。
 
パレスホテル見学記

報告者:土淵昭

 平成13年3月26日に狭山市主催の「食品廃棄物の有効利用工場見学会」に参加した。
 見学先は、「三機飼育工場椛翠チ工場」と「パレスホテル岩槻工場」である。今回は、「パレスホテル岩槻工場」について報告します。
 この工場は、各地のパレスホテルにお菓子やスープの素「ブイヨン」を作って供給する工場で、ブイヨンを作る工程から出てくる1日500kgの「鶏がら」からペットフードの原料を作っていた。以前は産廃として出しており、1ヶ月に42万円掛かっていた。
  ペットフードの原料を作るようになってから、設備の償却費とランニングコストが丁度1ヶ月 42万円になった。しかし、処理済品「ペットフード原料)の売上が月1万5千円強の利益が出 るようになった。
 なお、本社ホテルでは、料理くずや残飯を処理して肥料を作っており、契約農家に使ってもらい、収穫した野菜をホテルで利用して循環している。これも産廃に出していた頃より、月20万円くらい利益が出ているそうである。ちなみに、さいたま市の大宮パレスホテルでも生ごみリサイクルを行っている。しかし、箱根にあるホテルは町の廃業物の引取り料が10円/kgと安いので、リサイクルすると採算が合わないので実施していない、とのことだった。
(注)東京の産廃引取り料は25円/kgで、大宮は17円/kgとのことである。
 
 
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