エコ・リサイクル交流集会 第4分科会
お宅に洋服たまっていませんか? 
−現代古着リサイクル− 

 
「埼玉県からゴミを極力減らす努力を地域の中で」という小野浩氏(エコ・リサ理事、川越市)の趣旨説明から始まった第4分科会は、今の洋服のリサイクル事情を中心に3時間以上、閉会するまで終始熱い議論だった。前半は4人のパネリストがそれぞれ個性的に洋服のリサイクル活用法についての話をし、後半は県内の繊維リサイクルに関係・関心のある50人の参加者による活発な意見交換、質疑応答などが行われた。
当日のファッションを全てリサイクルものでキメテきた増田アツミ氏(エコ・リサ監事、所沢市)は、ご自身の経験から「組み合わせて永く着る」「安いからといって無駄に買わない」というシンプルな生活スタイルのすすめを提案した。具体的に、「フリマの女王」と呼ばれる人の例をあげ、「フリーマーケットで2つ売ったら1つ買う」というように、「不用品を売れる場所を活用して現金に換えるが、必要以上のモノは買わず、本物(質のいいモノ)だけを購入する」というアイテムの整理法も紹介した。
同じくリユース衣料を着用してきたという石川恵輪氏(リサイクル運動市民の会埼玉本部代表、さいたま市)は、衣類のリユースについて4つの方法(@リフォームA無料提供B売るC資源回収)を紹介した。また、年々衣類をリユースする機会は増えているが、そのような情報をいつどこで手に入れたらよいのかという素朴な疑問の声がまだまだ多いことや、安い新品衣料が増加したことにより、中古衣料リユースへの影響がみられる現状を説明した。
木村誠氏(埼玉中央ウエイスト商工業協同組合)は、日本の古繊維リサイクル業界の現状が厳しい理由として、歴史的観点から、「豊かな時代の大量消費・大量生産による、モノの価値の低下」「化学繊維使用増に伴う、再生用途の行き詰まり」などを指摘した。
自由討論では、良いアイテムはリサイクル価値が高いという観点から、「消費者は質の高い衣料を購入して欲しい」という古繊維業者の率直な要望や、「川上産業(アパレル・衣料品加工販売業界・輸入業界)がもっとリサイクル事業に参入しなければ根本的には解決しない」という厳しい意見も出された。

最終的なまとめでは、循環型社会の下で真の繊維リサイクルシステムを構築するには、川上産業・消費者・古繊維業の各々の努力、そして相互間の協力・連携プレーが大切であるという認識をもって閉会した。
参加した一員として、何気なく着ている洋服から地球環境問題を深く考えさせられた一日だった。古着や洋服が大好きな私は、本物(リサイクル可能な質の良いアイテム)を選択できる眼を養うべく、今日もショップやフリマに通うつもりである。(報告者 飯塚進哉氏)


 参考HP 日本繊維屑輸出組合(http://www.jwfa.or.jp

 
編 集 後 記
編集長の宮田さんに助けていただきながら無事発行にいたりました。今回のエコ・リサ通信は、1月に開催した交流集会の報告がメインですが、充実した内容がこの紙面を通じてより多くの方に伝わり、エコ・リサの会員が増えることを願っています。 
(編集担当 大前)
 
 
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