2005年3月1日 発行
エコ・リサ通信 第49号
NPO法人埼玉 エコ・リサイクル連絡会会報
発行人  木 康夫
エコ・リサイクル交流集会 2005 報告
-作る人・使う人 共にとりくむ環境問題-
京都議定書発効を前に、1月29日 さいたま市民会館うらわにて、参加者207名により開催され、各分科会では活発な意見交換がなされました。
基調講演:「ごみ処理費用は誰が負担すればよいのか
−自治体施策調査からの提言―」   
講師  山谷 修作 東洋大学 経済学部 教授
 ごみ減量とリサイクルの公共政策の手法としては、大きく分けますと、「規制的手法」「奨励的手法」「経済的手法」とに分かれます。
 「経済的手法」とは「市場メカニズムを通じて経済的なインセンティブを提供することにより、市民や事業者の行動を誘導する手法」です。
 有料化自治体は年々増えています。福岡市が来年有料化します。近くの多摩地区には23の市がありますが、半分の13の市が現在有料化を行っています。
 市民の有料化に対する反応ですが、これから有料化する、というときに市民は賛成という人が6割ぐらい、反対が3割ぐらいです。ところが、有料化したあと、「有料化の経験を踏まえてどうであったか」と聞くと、賛成が8割に増え、反対が1割ぐらいに減っています。
 旧与野市のアンケート調査で、「買い物袋を持参する」という4割の人の中で「有料化後に」と答えた人が36%いました。「過剰包装を拒否する」という72%のうち「有料化後に」と答えた人が26%いました。「買い物のときごみにならない製品の選択をしている」45%のうち「有料化後に」という人が34%いました。有料化は「買い物行動を変える、ライフスタイルを変えるインパクト」を持っているのではなかろうか、というのが結論です。さいたま市も含めて政令指定都市でもぜひ、有料化を検討していただきたいわけですけれども、その場合の留意点は、かなり周到な制度設計と住民にきめ細かな説明、情報提供が必要です。また、ごみ減量の受け皿を整備することが必要です。
 
次に「奨励的手法」ですが、「マイバック持参運動」で非常に高い持参率を達成している自治体が三重県の伊勢市です。マイバックをつくるときに市民意見をアンケート調査で聞いています。意見を聞いてサイズとか機能、色合いで仕様書をつくってもらい、市民意見を反映した仕様書のもとで全国のマイバック業者数十社に試供品を作らせて、展示して「マイバック投票」をやっています。選ばれた袋は、市民自らが気に入った袋なので「持ってくれる人はごみ減量会議とNPOの人たちだけ」という失敗に会わずにすんだ、ということです。
 伊勢市民に対するアンケート調査で注目されるのは、環境意識が低いところにランクされた人たちが「市が配布してはじめて持っていくようになった」というふうに答えており、「買い物袋持参行動」に巻き込めるようになったということが言えると思います。
「奨励的施策の制度設計と運用上の課題」は「情報提供と共有」「明確なインセンティブの提示」です。自治体の職員は色々な仕事で忙殺されていて手が回らない。だから行政と市民が一緒になって取り組まないといけない。お店やメーカーなどの事業者に対して強い発言権を持っているのは消費者です。消費者に事業者との窓口になってもらって、大きな役割を果たしてもらう、ということが重要なのではないでしょうか。
 従来の規制的手法や計画的手法に加えて、市民と奨励的手法を工夫していく、また経済的手法を工夫していく、ということで循環型社会の構築の実効性を高めていくことが重要だと思います。          (報告者:園田真見子)
あいさつ
NPO法人埼玉エコ・リサイクル連絡会 会長 木 康夫
 昨年は異常気象という言葉が飛び交うほど世界各国で自然災害が発生しました。一部からは世界的な温暖化進行により豪雨や大型台風は増加し、昨年夏の「異常気象」が常態化するという予測すらもあります。そんな中、いよいよ、地球温暖化防止のための京都議定書が2月16日に発効いたします。これにより、日本は二酸化炭素等温暖化ガスの削減が急務となります。日本の排出量は90年比で8.0%も増加しており、議定書で約束した6%削減を実現するためには合計14.0%もの削減が必要となっています。こうしたことから、企業に対しての新たな排出削減義務やCO2排出権を購入する市場取引の拡大、環境税の導入などいろいろな視点から論議されそうです。
 ブラジルのリオデジャネイロで開かれた地球サミット国連環境開発会議で「シンクグローバル・アクトローカル」というフレーズが響き渡りましたが、あれから13年、地球市民としての自覚と行動がより求められる時代に入ってまいりました。交流集会が実りある1日になりますことを期待しましてご挨拶とさせていただきます。
 
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