PRTRの初のデータ公表!!
皆さん、PRTRってご存知ですか?
PRTRはPollutant Release and Transfer Register の略称で、環境汚染物質排出・移動登録を意味するものです。OECD(経済協力開発機構)の勧告を受けて1999年に法制化されました。人の健康や生態系に有害な恐れのある化学物質を指定(第一種354、第二種81)し、次の条件に該当する事業所が環境への排出量を埼玉県経由で国に報告することが義務付けられました。
従業員21人以上で、国が指定した化学物質を年間1t以上(初めの2年間は5t以上)使用している事業所。
他に、家庭で使用される合成洗剤や農薬などの化学物質の環境への排出量も推計で計算されます。
埼玉県は国で決められた物質の他に、県独自で新たに64物質を指定し、国で指定した物質と合わせて取扱量を報告することを義務付けました。これは全国的にみても先進的な取り組みです。
 
6月5日、埼玉県の初のデータが発表されました。(担当・化学保安課)
それによると、事業所からの排出量は50,194tで愛知県、東京都、大阪府に次いで全国第4位でした。上位3物質はトルエン(溶剤等)17,702t、ジクロロメタン(金属脱脂洗浄剤)4,731t、キシレン(溶剤)4,699t、また、家庭からの排出量の上位3物質はパラジクロロベンゼン(防虫剤等)1,092t、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(合成洗剤等)1,047t、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(合成洗剤等)659tでした。埼玉県は「石けんなどの分解性の良いものを適量使用する」ことを奨励しているので、県民が合成洗剤の使用をやめれば、これらの2物質は環境に排出されずに済むことになります。
事業者が毎年正確なデータを報告し、それを国や県が発表し続けることによって、事業所からの化学物質の排出量は確実に減っていくことが期待できます。
今、化学物質過敏症の人が増えています。狭い国土に大量の化学物質を排出している今の状況では誰がなっても不思議ではないと思われます。私たち一人ひとりが化学物質に対して厳しい目を向けることが大事です。
埼玉県でのPRTR担当は化学保安課です。詳しいデータは県のホームページで見ることができます。
また、市民団体が公表するPRTRデータもホームページで見られます。下にアドレスを載せますので開いてご覧ください。
 
1. エコケミストリー研究会(近日公表予定)
全国3362市区町村別の排出量を色分けした地図で公表
http://env.safetyeng.bsk.ynu.ac.jp/ecochemi/default.htm

2.有害化学物質削減ネットワーク(Tウオッチ)(一部公表)
個別事業所の排出量や移動量を公表
http://www.toxwatch.net/
 
総会でPRTRを説明する
宮田尚美氏
 
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